近年の日本では、非上場の中小企業が買収される事例が年々増加しています。
その背景には経営者の高齢化と後継者不足の問題があり、国も助成金を設けるなど会社買収による事業承継を奨励しています。
私も後継者が見つからなくて、会社の将来が不安になってきた1人です。
会社の将来に不安を覚え売却を検討している人の中には、買収する側がどのような気持ちで買収に踏み切るのかを知りたい人もいるのではないでしょうか。
買収する側の気持ちを理解できれば「どんな会社が買収されやすいのか」についてもヒントを得られますよ。
そこでこの記事では、会社買収の概要・目的・リスク・手法などについて解説します。
買収される側が享受できるメリットや、売れやすい会社を作るためのヒントもたっぷり詰め込んだ内容になっています。
- 後継者がいなくて悩んでいる
- 会社の売却を考えている
- 会社買収が行われる理由と目的を知りたい
上記に1つでも当てはまる経営者様は必見です。
登場人物紹介
インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!
中小企業を経営している社長です。後継者不在に悩んでいて、M&Aを検討している真っ只中にいます。いつもは困った顔をしていますが、たまに笑顔になります。
1章:中小企業における会社買収とは
他社の事業や経営権を買い取ること。企業買収ともいう
大きな企業が大きな企業を買収する際には、自社の株式で買収の対価を支払うケースもみられます。しかし中小企業が買収されるときは、現金での支払いが一般的です。
また、一部の事業のみ買収することを「事業買収」と呼び、会社1社の経営権を丸ごと買収することを「企業買収」と呼んでいます。
よく似た言葉ですが、区別できるように覚えておきましょう。
1-1 ほとんどのケースで友好的買収となる
企業の買収には「友好的買収」と「敵対的買収」の2種類が存在します。
友好的買収とは
買収される企業側が、買収に対して合意している状態で行われるケース
日本で行われる買収のほとんどが友好的買収にあたります。
特に中小企業が買収されるケースでは、友好的買収以外ありえないといっても良いでしょう。
買収される企業が非上場の場合、オーナーが株式を売却するには株主の合意が必要です。
非上場の中小企業は社長が株主であるケースが多いため、社長の合意なしで買収されることは考えにくいのです。
それに対して敵対的買収は、基本的に上場会社の買収に用いられる方法です。TOB(株式公開買付)が行われることから「敵対的TOB」とも呼ばれます。
敵対的買収とは
買収される企業側が買収に合意していない状態にも関わらず、買収が行われるケース
株式の買い付け数・価格・期間を不特定多数の人に対して公告し、証券取引所を介さずに買い付ける手法
敵対的買収は多くの場合、競合他社の支配権を獲得する目的で行われます。
1-2 M&Aとの違い
M&AはMergers and Acquisitionsの略で「企業の合併と買収」という意味です。
そのため買収はM&A手法の一部といえます。
1-3 合併との違い
買収と合併の最大の違いは、消滅する会社の有無です。
2つ以上の会社を1つの会社に統合する法的な手続きのこと
合併には統合される会社(売り手側)の法人格のみが消滅するケースと、統合する全ての会社の法人格が消滅するケースが存在します。
いずれの手段にせよ、合併を実行すると売り手側の会社は消滅する運命にあります。
それに対して買収では、売り手企業の法人格が消滅することはありません。
2章:会社買収の主な目的
会社買収は年々増えているんですよね?なぜ会社の買収が行われるのでしょうか。
会社の買収は、経営戦略の一環として実施されるケースがほとんどです。
会社を買収する企業の多くは、「ある目的を達成するために自社でゼロから取り組むより、会社を1社買収したほうが効率的」という考えの元に買収を行います。
その「ある目的」というのが、以下の3点です。
- 事業の拡大
- 経営の多角化
- 企業の成長速度アップ
上記3点にプラスして、節税対策のために会社を買収する企業も存在します。
会社を買収する目的を知るということは「売れやすい会社を知ること」につながります。売り手として会社の売却を検討している人は、しっかりとチェックしてくださいね。
2-1 事業を拡大したい
買い手が企業を買収する理由の1つに、事業の拡大が挙げられます。
事業拡大を目的とした買収では、主に同業の企業を買収します。これにより、以下の資産を獲得できるのです。
- 優秀な人材
- 技術
- ノウハウ
- 流通網
- 顧客
- 取引先 など
通常であれば企業の成長には大きなコストや時間がかかりますが「ほしい資源」を持っている企業を買収することで、スピード感を持って目標を達成することが可能になるのです。
人材や技術はゼロから作り上げるよりも会社を買収したほうがコストや時間を節約できる
事業の拡大には、競合他社に負けない競争力を強化する目的も含まれています。
2-2 経営の多角化を図りたい
現代はVUCA(ブーカ)時代と呼ばれています。
これはVolatility 変動性・Uncertainty 不確実性・Complexity 複雑性・Ambiguity 曖昧性の頭文字を取ったもので、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を意味しています。
このような時代において、経営の多角化は会社が将来生き残っていくために必要不可欠な戦略だといえるでしょう。
なぜなら経営を多角化すると、事業リスクを分散させることができるからです。
経営の多角化が目的の買収では、他業種の企業が買収される
もし主力事業が振るわなくなってしまっても、経営の多角化を実現していれば他事業で売上をカバーできますよね。
なるほど。将来に向けたリスクヘッジのために会社を買収するということですね。
2-3 企業の成長速度を加速させたい
会社を買収すると「自社+買収した会社」以上の利益や効果をもたらすことがあります。
買収により1+1以上の効果を生み出すことをシナジー効果と呼び、これにより企業の成長速度が飛躍的に加速します。
買収する側は「自社の成長速度を加速させてくれそうな会社」を選んで買収を検討します。
シナジーには様々な効果が期待できますが、主な項目としては以下6つが挙げられます。
- 売上の増加
- 競争力の獲得
- 技術開発力の向上
- 業務システムの効率化
- コスト削減
- 顧客満足度の向上
買収する側の企業は上記に掲げた効果のうち、自社が求めている部分を満たしてくれそうな買収先を探し、買収に踏み切るのです。
2-4 節税対策を行いたい
会社の買収は、節税が目的で行われる場合もあります。赤字企業を買収することで、法人税を節税できるケースがあるのです。
赤字企業は多額の繰越欠損金を計上していることが多いのですが、この繰越欠損金を活用することで節税が可能になります。
赤字企業を1社丸ごと買収すると、繰越欠損金もそのまま引き継ぎます。
前事業年度以前に発生した欠損金(赤字)が当事業年度に繰り越されてきたもの。当事業年度の税務会計上は損金となるため、税務上の黒字と相殺できる
黒字を繰越欠損金と相殺することで、黒字分にかかるはずだった法人税を節税できるというわけです。
ただし、この節税方法には大きな注意点が存在します。
繰越欠損金は対象会社自身の利益でしか相殺できない
つまり、赤字を計上している「買収される側」自身が黒字にならないと、節税効果は生まれないのです。
買収された会社が大きく成長したときなどに節税効果が生まれますよ。
なるほど。赤字経営の会社は「自社を大きく成長させてくれそうな企業」に会社を売却すると、お互いハッピーになれそうですね。
3章:会社買収に潜むリスク
経営戦略の一環で会社買収を行う企業は多いですが、得られるのはメリットばかりではありません。
会社買収にはいくつかのリスクが潜んでいるため、失敗を防ぐためには慎重な姿勢が必要です。
3-1 簿外債務や偶発債務を引き継ぐ恐れがある
会社の経営権を引き継ぐ際に注意すべき点が、簿外債務や偶発債務を引き継ぐ可能性があることです。
簿外債務・偶発債務ともに、買収後に発覚すると会社に大きな損害を与えるリスクをはらんでいます。
- 簿外債務…貸借対照表に記載されていない債務のこと
- 偶発債務…現時点では債務ではないが、将来債務となる可能性がある債務のこと
中小企業の場合、簿外債務の存在は決して珍しいものではありません。なぜなら中小企業は税務会計を採用している企業が多いからです。
税務会計は支払う税金を計算する会計方式
税金の計算に関係の薄い項目は貸借対照表上に記載するメリットが薄いため、簿外債務となってしまうことが多いのです。
主な簿外債務の項目は、以下の通りです。
- 退職給付引当金
- 賞与引当金
- 未払いの残業代
- 未払いの社会保険料
- 買掛金
- リース債務 など
偶発債務の具体的な例としては、債務保証や損害賠償請求のリスクが挙げられます。
簿外債務や偶発債務を引き継いでしまうリスクを減らすためには、入念なデューデリジェンス(買収監査)を行う必要があります。
3-2 優秀な人材が流出してしまう恐れがある
自分が働いている会社が買収されることを知った従業員は、自身の将来に不安を覚え、退職してしまう可能性があります。
しかし従業員も大切な資産として買収の対象に含まれ、買収価格にも反映されています。
会社のキーマンや優秀な人材が流出してしまうと、買収に期待していた効果を得られなくなる恐れがあるのです。
そこでキーマンの流出を防ぐため、買収の最終契約書に「キーマンの流出が起きた際のペナルティ」を設けるなどの対策が施されるケースがほとんどです。
買収される側が従業員に買収の事実をどう伝えるかも大きなポイントです。
買収する側の担当者が買収される側の従業員と面談の機会を設けるなど、お互いに協力し合って人材の流出を防ぎましょう。
3-3 買収で見込んでいた効果が得られない恐れがある
買収後の経営統合(PMI)が難航すると、業務が停滞したり業績が伸び悩んだりして、想定していた買収の効果が得られない可能性が高まります。
買収の効果が想定以下になると、買収で投資した金額を回収するまでに時間がかかってしまいます。
会社の成長スピードにブレーキがかかってしまうわけですね。程度によっては「買収しない方が良かった」という結果になってしまいかねませんね…。
そうなんです。よくあるケースだと、買収した側が買収された側の従業員に対して「なぜ業績が上がらないのか」などと圧力をかけ始める…なんてことも起こっているんです。
なんと。それは売り手の社長として看過できませんね!
このようなことが起こらないためには、両社の文化を擦り合わせて信頼関係を築くための時間をかける必要があります。
なるほど。たしかに両社が同じ視点から同じ方向を見つめている必要がありそうです。
経営統合プロセスは、買収で想定していた効果を得るためにも慎重かつ確実に進めていく必要があるんですよ。
4章:会社買収のスキーム(手法)
ひとくちに会社買収といっても、そこには5つのスキームが存在し、それぞれ特色を持っています。
- 株式譲渡
- 株式交換・株式移転
- 第三者割当増資
- 事業譲渡
- 会社分割
買収のスキームはどうやって決まるのでしょうか。
買収によって得たいものや、買収に希望する条件を満たせるスキームを選択します。買収する側とされる側の話し合いで決まることもあるんですよ。
それぞれのスキームが持つ特徴をみていきましょう。
4-1 株式譲渡
買収する会社が買収されようとしている会社の株主から保有株式を買収し、経営権を引き継ぐスキーム
株式譲渡は中小企業の会社買収で最もポピュラーなスキームです。
会社の経営権を買収するスキームのため、買収された会社は買収した会社のグループ会社となります。
株式譲渡で会社を買収するメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
- 他のスキームと比べて手続きが簡単
- 従業員の雇用や許認可をそのまま引き継げる
- 短期間で事業が拡大できる
ただし、買収対象企業の状態によっては全株式の買収が困難だったり、デューデリジェンス(買収監査)に時間がかかったりするケースもみられます。
4-2 株式交換・株式移転
株式交換と株式移転は、完全な親会社と子会社の関係を作る場合にのみ実施されるスキームです。
買収される会社の株式を全て買収する会社が取得し、完全親会社となるスキーム
一般的なケースでは、子会社となる株主には親会社の株式が交付されます。
買収の対価が親会社の株式となるわけですね。自社の株式を渡して親会社の株式を受け取る、すなわち株式を交換する結果になるということですね。
株式を交換して成立する株式交換に対し、株式移転は新たに設立した親会社へ株式を移転させるスキームです。
親会社として新しく会社を設立し、子会社となる会社の株式を全て新設親会社に取得させるスキーム
株式移転の対価は、自社の株式・社債・新株予約権・新株予約券付社債のみと定めがあり、買収資金を新たに用意する必要がない点がメリットとして挙げられます。
4-3 第三者割当増資
買収される会社が新たに株式を発行し、買収する会社に引き受けてもらうスキーム
第三者割当増資は、買収の手続きが簡単で早いという利点を持っています。
しかし元の株主はそのまま株式を持ち続けるため、買収する側が100%の株式を取得することはできません。
第三者割当増資で経営権の移転を目的とする場合は、買収する側が取得する株式の割合を50%以上になるよう調整します。
4-4 事業譲渡
会社が行っている事業の一部または全部を第三者へ譲渡するスキーム
買収する範囲が特定されるため欲しい事業をピンポイントで手に入れられるほか、負債や債務を引き受けない点もメリットです。
また事業譲渡では、買収価格に含まれた「のれん代」を償却することで、法人税の節税が期待できます。
ただし、移籍する従業員全員の同意や許認可の再取得が必要になるなど、手続きが煩雑になりやすい点には注意が必要です。
4-5 会社分割
会社分割は、会社が行っている事業の一部を切り離して新たな会社を設立する新設分割と、切り離したい事業を既存の会社に承継させる吸収分割の2種類に分けられます。
吸収分割は先に出てきた事業譲渡とよく似ていますね。
そうですね。両スキームの大きな違いは、事業の承継方法が包括的かどうかです。
譲渡したい項目を1つ1つ細かく指定する事業譲渡に対し、吸収分割は事業の権利義務を包括的に承継します。
そのため、買収の手続きをシンプルに実行できるメリットがあります。
新設分割と吸収分割は、それぞれ株主が対価を受け取る分割型分割と、会社が対価を受け取る分社型分割に分けられます。
つまり会社分割は、分割型新設分割・分割型吸収分割・分社型新設分割・分社型吸収分割の4種類が存在するということです。
5章:買収される側(売り手側)のメリット
経営戦略の一環として行われる会社買収ですが、買収される側も多くのメリットを享受できます。
買収される側は一般的に、会社を売る側の「売り手」という言葉で表現されることが多いです。
売り手側も、自社が抱えている問題を解決するため会社売却に踏み切るケースが大半です。
中小企業の社長が会社の売却を決心する理由には、主に以下の4点が挙げられます。
- 後継者がいないけれど会社を存続させたい
- 経営の安定化を図りたい
- この先もずっと従業員の雇用を守っていきたい
- リタイアして第二の人生をスタートさせたい
上記の4点は、会社を売却することで解決できる問題なんですね。詳しく知りたいです。
5-1 後継者がいなくても会社を存続させられる
会社の経営権を売却すると会社の経営は買収した側が担うことになるため、後継者不足の問題が解決します。
次期社長は買収した側の会社から派遣されるケースが多い
そのため後継者はいないけれど会社を存続させたいと考えている社長にとって、会社の売却は有益な手段といえるでしょう。
- 株式譲渡
- 株式交換・株式移転
- 第三者割当増資
5-2 大手の資本力で事業が行いやすくなる
会社の買収は通常、自社より小さな会社を買収します。そのため売り手側は自社より規模の大きな会社から買収されることになります。
売り手はより大きな資本力を手に入れられる
資本力が強化されることで得られるメリットは、以下の通りです。
- 資金調達がしやすくなる
- 会社の信用度が向上する
- 事業の成長スピードを上げられる
- 株式譲渡
- 株式交換
- 第三者割当増資
5-3 従業員の雇用を守ることができる
包括的な事業の承継では、従業員もそのまま買収先の企業へと引き継がれます。そのため特別な理由がない限り、従業員の雇用を守ることができるのです。
自分も高齢になってきて、健康面などが心配になってきました。自分に万一のことがあったときに従業員を守れるかという不安は常につきまとっています。
そんな社長にこそ会社売却はおすすめなんですよ。自社より規模の大きな買収先に、安心して従業員を任せられます。
- 株式譲渡
- 株式交換・株式移転
- 第三者割当増資
- 会社分割
5-4 売却益を受け取れる
会社を売却すると、当然ながら売却の対価が支払われます。対価の支払いは、現金だったり買収した企業の株式だったりと色々です。
株式でしか対価を支払えないスキームも存在しますが、現金と株式とを選択できるスキームでは、多くの場合で現金が選択されます。
また使用するスキームによって、売却益の受け取りが株主個人の場合と会社の場合とが存在します。
売却益をリタイア後の生活費などにしたいのであれば、株主個人が受け取れるスキームを選択しましょう。
- 株式譲渡
- 株式交換・株式移転
- 分割型会社分割 など
売却益を会社の資金としたい場合は、会社が売却益を受け取るスキームを選択すると良いでしょう。
- 第三者割当増資
- 事業譲渡
- 分社型会社分割 など
6章:会社買収で重要なポイントは買い手・売り手間のニーズがマッチすること
会社買収は、経営戦略の一環として行われることが分かりました。それに対して会社売却は、自社の問題解決のため選ばれる傾向にあることも分かりましたね。
お互いの思惑が一致していないように思えますが、こんな状態ではたして円満な会社買収が成立するのでしょうか。
一見両社の思惑は一致していないように見えますよね。しかし会社売却で解決したい問題を抱えている会社が、買収側が求めている要素を持った会社だったらどうでしょうか。
それなら円満な買収が成立しますね!買収する側は欲しい要素を持った会社を手に入れて、買収される側は自社の問題を解決できる。まさにWin-Winの関係じゃないですか。
会社買収で最も重要なポイントは、買収する側とされる側のニーズがマッチすることです。
むしろ買収でどちらかが不利益を被ってしまうような取引は、そもそも成立が難しいといえるでしょう。
会社を売却する売り手は、買い手が求める要素を持てるような企業努力も必要
もし会社売却を検討している立場であれば、自社を多くの買い手が求める要素を持った会社に育てていきましょう。
- 独自の技術
- 独自の流通網
- 独自の資産 など
自社の強みを昇華させ、他社にはない魅力を持った会社へと成長させておくと、有利な条件で会社売却が実現できる可能性が高まります。
まとめ
会社買収は友好的買収と敵対的買収の2種類に分けられますが、中小企業の買収ではそのほとんどが友好的買収となっています。
会社買収の主な目的は、以下の4点です。
- 事業の拡大を図りたい
- 経営の多角化を図りたい
- 企業の成長速度を加速させたい
- 節税対策を行いたい
実際にはこの内の1つまたは複数の目的が組み合わさって、買収に踏み切るケースが多いです。
会社買収には、5つのスキーム(手法)が存在します。
- 株式譲渡
- 株式交換・株式移転
- 第三者割当増資
- 事業譲渡
- 会社分割
それぞれのスキームにメリット・デメリットがあるため、買収の目的等によって最適なスキームの選択が必要です。
その一方で、買収される側(売り手側)も目的を持って買収に臨んでいます(友好的買収の場合)。
買収される側の目的として挙げられるのは、主に以下の4点です。
- 後継者がいないけれど会社を存続させたい
- 資本力を強化して経営の安定化を図りたい
- 従業員の雇用を守りたい
- 売却益を受け取りたい
いずれにせよ会社買収は、買収する側とされる側の双方で利益が見込まれた場合に成立します。
買収する側は自社が求めている要素を持った会社に出会えることが、買収の決め手となります。
買収される側は買収する側の求めている要素を持っていることに加え、買収によって自社の問題が解決できる相手に出会う必要があります。
会社売却を検討している会社は、自社独自の強みを磨くなど「買収側から選ばれる売り手」を目指しましょう。