M&A

業績悪化の対策と原因を徹底解説!自社で解決が困難な場合はM&Aという選択も

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会社には好不調の波があり、不調のときに訪れるのが業績悪化です。

業績悪化は放っておくと会社の存続にも関わるため、早急に改善しなくてはなりません。

業績は順調に伸びるに越したことはありませんが、万一の事態に備えて業績悪化の原因と対策法を確認しておきましょう。

登場人物紹介

齋藤さん

インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!

社長

中小企業を経営している社長です。後継者不在に悩んでいて、M&Aを検討している真っ只中にいます。いつもは困った顔をしていますが、たまに笑顔になります。

1章:業績悪化の原因:内部要因

会議のイメージ

業績悪化の原因は、社内で起こる内部要因と社外で起こる外部要因に分けられます。

このうち自社で改善できる可能性が高いのが内部要因です。

また、業績悪化の原因は1つだけとは限りません。複数の要因が複雑に絡み合った結果として業績が悪化しているケースも考えられます。

業績悪化の原因を探るためには、考え得る要因をできるだけ多く洗い出して検証してみることが重要です。

1-1 経営力の不安定さ

中小企業によくある「社長がいないと会社が回らない状態」いわゆるワンマン経営が該当します。

  • 社長1人に全ての責任が集中している
  • 会社の方向性を決定できるのは社長だけ
  • 社長でなければできない会社の重要な仕事がある

上記のような会社は、社長が事故や病気などで仕事ができなくなると経営が止まってしまいます。

またワンマン経営の中には、社長が会社を私物化しているなどの放蕩経営を行っているケースも。

放蕩経営は倒産理由の上位に挙げられているくらい、会社の経営が不安定で危険な状態です。

さらに、社長の勘を頼りに経営を行っているような会社も同様のことがいえます。

社長の勘が間違っていた場合、坂道を転がるようにして倒産へ突き進んでしまう恐れがあるのです。

このように社長に権力や責任が集中している状態は、社長1人の行動によって会社が倒産するほどの経営悪化を招く可能性があります。

1-2 組織力の低下

1人の人間が同時に管理できる人数は10人とも20人ともいわれているため、従業員が増えてくると社長1人では管理しきれなくなります。

そのため従業員の多い会社は中間管理職を設置するなどして組織化を行い、従業員の管理を行っています。

しかし任命された中間管理職が能力不足だったり人格に問題があったりすると、従業員の心が離れて組織力の低下につながります。

組織力の低下は生産性の低下に繋がるため、業績悪化の原因となるのです。

1-3 品質の低下や営業成績不振による売上の減少

棒グラフ(減少)

業績の悪化を最も実感しやすい原因が売上の減少です。

何らかの原因で従業員が退職したりモチベーションが下がった状態が続いたりすると、商品やサービスの品質低下や、営業成績不振などの影響がみられます。

その結果として顧客に見放され、業績悪化を実感するのです。

従業員の離職やモチベーション低下は中間管理職の能力不足の問題も密接に関わっているため、組織全体の見直しが必要になってきます。

ただし、売上の減少は原材料の高騰や競合の躍進など外部に起因する場合もあります。改善には多角的な見直しが必要となるでしょう。

1-4 経営努力の怠慢

「儲かっているから」といって経営努力を行わないままでいると、その会社は衰退の一途をたどります。

なぜなら、現状に満足している間にも競合他社は経営努力を重ねているからです。そのうちに距離が縮まり、ついにはにシェアを奪われてしまうことになるのです。

1-5 経営課題の見落とし

経営課題を見落としていたり見過ごしていたりすると、業績悪化へとつながります。

また経営課題が見えていたにもかかわらず、その解決方法を誤ってしまうことでも業績悪化は起こります。

経営課題は、人材の確保や育成生産力や技術力の向上販売力の強化コストの見直しなど様々な分野にわたり、1つであるとは限りません。

また、会社として確固たる目標や行動基準が定められておらず、行き当たりばったりの経営に陥っている会社は要注意です。

経営課題が山積しているのに見落としている可能性が高いため、会社の在り方を根本的に見直す必要があります。

2章:業績悪化の原因:外部要因

競争イメージ

外部要因による業績悪化は、自社だけでの改善が難しいものもあります。

しかし外部要因の中には内部要因が複雑に絡み合っているケースもあるため、業績悪化の本当の原因を細かく分析してみることが重要です。

2-1 競合の躍進

ライバル会社が一気に業界でのシェアを伸ばし、その他の企業の業績が軒並み悪化するケースがあります。

ただしこのケースでは、自社が経営努力を怠った結果の可能性もあるため、その後の経営努力次第では巻き返せる可能性が残っているといえるでしょう。

2-2 市場の縮小

事業分野として設定している市場が時代の流れによるトレンドの変化で縮小してしまい、売上の減少に繋がっているケースがあります。

その他にも新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害により市場が縮小して売上が減少するケースも。

感染症や自然災害による売上減少の場合は、原因となる出来事が終息すると市場の規模が戻ってくる可能性があります。

しかし市場の縮小がトレンドの変化による場合は、他分野の事業などへ舵を切る決断が必要です。

2-3 原価の高騰など

仕入れ原価の高騰による業績悪化には2つのパターンが考えられます。

  • 価格を据え置いたため利益が少なくなってしまった
  • 値上げをしたら売れなくなった

判断を誤ってしまうと急激な業績悪化にもつながりかねないため、自社の商品は価格を据え置くべきなのか、値上げするべきなのかは迷うところです。

最近では飲食店や衣料品店などあらゆるジャンルのお店で「原価高騰のため値上げします。」というお知らせを目にする機会も多くなっています。

また、近年よく見かける「価格は以前と変わらないけど明らかに内容量が減っている」お菓子や食品類は、メーカーの苦肉の策ともいえるかもしれませんね。

3章:自社でできる業績悪化から抜け出す対策

並んだPCの間で打ち合わせをしているビジネスマン

業績悪化の原因は多岐にわたり、複数の原因が複雑に絡み合って起こっているケースが多くを占めています。

業績悪化という負のスパイラルから抜け出すためには、一刻も早く悪化の原因を突き止め、対策を施行する必要があります。

まずは業績悪化の原因として思い当たる点を全て洗い出し、自社でできる対策があれば今すぐ始めましょう。

3-1 経営課題の再確認

業務全体を見渡し、見落としたり見過ごしたりしている経営課題がないか改めて確認を行いましょう。

たとえ以前に経営課題の確認を行っている会社であっても、時代の流れに応じて新たな経営課題が発生している可能性があります。

そのため業績が悪化している「現在」にフォーカスを当てた再確認が必要です。

経営課題の確認は、客観的な視点を持った人物の方が見つけやすいケースも。自分たちでは難しいと感じた場合は、外部の専門家などに依頼しても良いでしょう。

3-2 組織編成の見直し

業績悪化の原因が「人」にあると判断した場合、組織編成を見直すことも有効な対策の1つです。

組織編成を見直すべき状態を具体的に挙げると、中間管理職がうまく機能していないときや退職者が相次いだときなどです。

人事の評価制度を見直すなどして、勤続年数に関わらず能力を持った従業員が管理職のポストに就けるような制度の導入を検討してください。

また、インセンティブの付与など従業員のモチベーションを高める工夫も効果的です。

従業員がストレスから解放され安心して働ける環境では、生産性が向上し組織力も高まることが分かっています。

3-3 属人的な仕事の排除

「Aさんでなければ備品の発注ができない」「プロジェクトの進捗がBさんにしか分からない」

上記のような「特定の誰かにしかできない仕事」が属人的な仕事です。属人的な仕事は担当者がいないと全く進まず、会社のボトルネックになります。

※ボトルネックとは、瓶の首が細くなっている部分である「bottleneck」に由来する言葉で、業務の停滞や生産性の低下を招いている箇所のことを指しています。

ボトルネックの数は多いほど仕事が停滞しやすく、そこから業績の悪化を招くケースも少なくありません。

そのため会社の業務から属人的な仕事を極力排除し、誰にでもできる仕事の分量を増やすことが必要です。

これを会社の仕組み化といいますが、仕組み化された会社は「特定の誰か」に依存することなくスムーズに業務を遂行し、業績を上げ続けられるようになります。

会社の仕組み化は、業務の停滞が解消されて業績の改善につながる可能性を秘めている画期的なシステムだといえるのです。

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4章:自社だけで解決が難しい要因があればM&Aを検討するのもアリ

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トレンドの移行による業績悪化など、経営努力や社内制度の改善だけではどうにもできないと判断した際には、M&Aで会社売却を検討しても良いでしょう。

「会社を売る」ことに「会社から逃げる」や「従業員を裏切る」などといったマイナスのイメージがあったのはもはや過去の出来事です。

会社や従業員の幸せを最優先に考えた結果として、M&Aが最適解であるケースも多数存在します。

4-1 競争力が高められる可能性

M&Aで会社売却を行い大手の傘下に入ることで技術・ノウハウ・流通網などが拡充され、競争力が高められる可能性があります。

また、一般的には取引先が多くなれば固有の取引先に対する交渉力も高まり、仕入れコストの値下げなどが実現できる可能性も出てくるのです。

4-2 倒産の危機を回避できる

業績が悪化している会社が最も恐れていることといえば倒産ですが、M&Aで会社売却を行うことで回避できます。

会社は買い手企業の下で存続し成長の可能性が見いだせるうえに、従業員の雇用も守られます。

さらに、中小企業を経営している社長の多くは、会社の連帯保証人になっていることがほとんどです。

そのため業績悪化のために会社が倒産すると、負債の支払いが社長個人にも請求されることとなり、社長個人の破産へとつながります。

実際に会社の倒産または破産手続きは、多くのケースにおいて社長個人の破産手続きも同時に進められているという現実があるのです。

したがってM&Aで会社売却に成功すれば、社長個人の破産も免れることができるといえるでしょう。

債務超過に陥ってしまう前に、早急に決断することがM&A成功のポイントです。

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まとめ

上がったり下がったり

業績悪化の原因には、経営や組織に関する内部的な要素と、市場や原価などに関する外部的な要素が存在します。

また、複数の原因が複雑に絡み合って起こっているケースも往々にして存在するのが業績悪化です。

しかし、1度落ちてしまった業績を再び軌道に乗せることは簡単ではありません。

倒産という最悪の事態を防ぐためにも、一刻も早く業績悪化の原因を突き止め対策を講じることが重要です。

自社で解決しきれないと感じたときには、M&Aで会社売却を検討してください。ただし債務超過に陥ってしまうと会社売却の難易度も上がります。

自分だけでは判断できないと感じる際は、専門家の手を借りることをおすすめします。会社と従業員の雇用を守るためにも、早めの決断が重要です。

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この記事を監修した人 齋藤 和寿
【インバースコンサルティング株式会社代表取締役】 後継者不足の解決や豊かなリタイアを望む経営者様に寄り添い「最幸のM&A」を実現するための情報を発信しています。 仕組み経営コーチとしても活躍中。会社の仕組み化×M&Aで、社長の人生を豊かに彩ります。