仕組み化

ロックアップ期間はM&A後どれくらい?短期化のポイントは会社の仕組み化にアリ

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M&Aで会社売却を行うと、経営を引き継ぐためにロックアップ期間を設定するケースが多く見られます。

一般的には2~3年程度で設定されることの多いロックアップ期間ですが、中にはできるだけ短く設定したいと考える売り手社長もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、会社売却後に設けるロックアップ期間を短く設定するための方法を解説しています。

買い手がロックアップ期間を設定したい理由や、一般的なロックアップ期間を設定することへのメリットも同時に紹介しています。

ロックアップ期間の設定に悩んでいる人はぜひチェックしてみてくださいね。

1章:ロックアップ期間を短くしたいなら、会社を仕組み化して社長に依存しない会社作りを

仕組み作りのイメージ

会社売却後の経営に関する引き継ぎ期間を指しているロックアップですが、できるだけ期間を短く設定したいと考えている社長もいるのではないでしょうか。

一般的なロックアップ期間としては、2~3年が設定されますが、事業規模が大きな会社ほど引き継ぐ事項が多いため、ロックアップ期間も長期化する傾向があります。

しかしこのロックアップ期間、長すぎても短すぎても良くないといわれているのが通説です。

それではロックアップ期間を短く設定したいときにはどうすれば良いのでしょうか?

答えは、「会社を仕組み化して、最短期間で引き継ぎが可能になる状況を作っておく」です。

必要事項をより短期間で買収相手に引き継ぐ体制を整えておけば、一般的なロックアップより短い期間を設定できる可能性が高まります。

1-1 M&Aによる会社売却後にロックアップ期間を短く設定するメリット

ロックアップ期間が長すぎると経営に関する引き継ぎが間延びしてしまい、モチベーションの低下につながります。

そのためロックアップ期間を短く設定することで、スピード感を持った引き継ぎが可能になるでしょう。

またロックアップにより拘束されている人は、ロックアップ期間が終了するまで会社を辞めたり新しい事業を始めたりすることができません。

そのため「ロックアップ期間=自由を奪われる期間」に他ならないのです。

売り手社長の中には次の事業を開始したかったり、第二の人生を謳歌したかったりといった理由から、早く会社から離れたいと考える人もいます。

ロックアップ期間を短く設定できたならその分早く会社から離れられ、新しい人生に向かって歩み出すことができるというメリットが生まれます。

スピード感を持って引き継ぎに取り組みたい人や、次にやりたいことが決まっている社長にとって、ロックアップ期間は可能な限り短く設定したいものになるといえるでしょう。

1-2  M&Aを行う前に会社を仕組み化しておくメリット

会社を仕組み化すると属人的な仕事が排除され、誰でも再現できる仕事の割合が高くなります。

その結果として社長に依存することなく業務が進められるようになり、社長がいなくても存続できる会社へと成長します。

そのためM&Aで会社を売却した後に、社長として買い手側に引き継ぐ事項が少なくて済むのです。

引き継ぎ事項が少ないということは、ロックアップ期間もそれだけ短く設定できるということ。

さらに会社を仕組み化しておけば、企業価値が向上し売却価格が高くなる可能性が高まります。

高く会社が売れれば社長が手にする売却益も増えることになり、豊かなリタイアを実現できる可能性がより高まるのです。

  • 会社売却後にロックアップ期間を少しでも短くしたい
  • 会社を少しでも高く売りたい

上記のように考えている社長は、今すぐ会社の仕組み化に取り組みましょう。

2章:買い手企業から見たM&A後にロックアップ期間を設けたい理由

虫眼鏡とクエスチョンマーク

買い手企業から見た場合、ロックアップ期間は非常に重要な期間です。

なぜなら、買収した企業の企業価値を下げることなく経営を引き継ぐ必要があるからです。

会社を買収した直後に前経営者が辞めてしまうと、従業員や他の役員たちのモチベーション低下につながりかねません。

さらに買収先企業の取引先の把握やオペレーションの統合など、買い手企業が引き継ぐべき事項は多岐にわたります。

引き継ぎに失敗すると事業がうまく回らなくなり、業績が大幅に悪化してしまう可能性もあります。

買い手にとって十分なロックアップ期間を設けることは、買収した事業が回らなくなってしまうリスクを減らし、スムーズな事業承継を成功させるメリットがあるのです。

ただし売り手企業の仕組み化がしっかり整っている場合はその限りではありません。

仕組み化により社長に属人化している仕事が少ない状態であれば、引き継ぎ期間を短く済ませられるからです。

社長に依存せず事業が回っている様子が確認できれば、買い手企業も安心してロックアップ期間の短縮に応じられるでしょう。

3章:一般的なロックアップ期間でも社長の都合が良ければOK

仕事をしている社長

M&Aの交渉時に買い手側から一般的なロックアップ期間を提示された場合でも、売り手社長の都合さえ良ければ無理に短く設定する必要はありません。

3-1 こんな社長はM&A後に一般的なロックアップ期間を設けよう

  • 会社の仕組み化を実行していない社長
  • 少しでも長く会社の経営に携わっていたい社長
  • 買収相手に誠意をもってしっかりと引き継ぎを行いたいと考えている社長

上記に当てはまる社長は、一般的なロックアップ期間を設けると良いでしょう。

そもそも会社の仕事が属人化している状態だと、引き継ぐべき事項の多さからロックアップ期間が長期化しやすくなります。

会社売却後にやりたいことが決まっておらず、しばらくは会社に残っていたいと考える社長も一般的なロックアップ期間を設定すると良いでしょう。

ロックアップ期間が終了するまでに、自分が次にやりたいことを見つければ良いのです。

真面目な性格で、全てをキッチリとこなしたいと考えている社長も同様です。しっかりと時間をかけて、経営の全てを買収相手に引き継いでください。

3-2  M&Aによる会社売却後にロックアップ期間を長く取るメリット 

ロックアップ期間を長く取ることは、売り手側と買い手側の双方に以下のメリットが得られます。

売り手側のメリット
  • 成果と契約内容次第では追加の報酬を得られる可能性がある
  • リタイアを先延ばしにできる
  • 売却金額にロックアップ期間分の報酬が上乗せされる
買い手側のメリット
  • 買収後すぐに安定した事業をスタートできる
  • 満足のいく引き継ぎができる
  • 売り手側の従業員に安心感を与えられる

上記の点からも特にロックアップ期間を短く設定する必要性を感じていない人は、十分な期間を設けましょう。

売り手・買い手共に安心して事業の引き継ぎを行うことができ、お互いへの信頼感の構築へもつながります。

3-3  M&Aによる会社売却後にロックアップ期間を長く取るデメリット 

メリットがある一方で、長いロックアップ期間にはデメリットも存在します。

売り手側のデメリット
  • 新事業をすぐにスタートできない
  • リタイアが遠のく
  • モチベーションを維持するのが難しい
買い手側のデメリット
  • 期待していたほどの能力を発揮してもらえない可能性
  • 売り手のモチベーションが続かない可能性

売り手は、モチベーションを保てる期間であるかなどをしっかりと見極める必要があります。

一方の買い手としても、売り手のモチベーションを下げずに十分な引き継ぎが行える期間を見定めなくてはなりません。

ロックアップ期間の設定に関しては、売り手・買い手双方での充分な話し合いが必要です。

適切なロックアップ期間のイメージが掴みきれないと感じた際には、「1年間をロックアップ期間とし、1年経過後は必要に応じて1か月ごとに更新」といった具合に柔軟な設定も有効です。

まとめ

仕事をしている社長のイメージ

M&Aによる会社売却後にロックアップ期間を設定することは、売り手側・買い手側双方にメリットをもたらします。

しかし次の事業を始めたかったり、早く第二の人生を謳歌したかったりと、ロックアップ期間を短縮したい売り手社長もいるでしょう。

ロックアップ期間を短縮するには、引き継ぎ事項を極力少なくすることがポイントです。

そのためには会社を仕組み化し、社長がいなくても存続できる会社へと磨き上げておきましょう。

「社長がいないと分からない」仕事の分量を極力減らしておくことは引き継ぎ期間への短縮につながるだけでなく、会社の価値向上にもつながります。

M&A前に会社の仕組み化をしておけば、より高い価格で会社を売却できる可能性が高まるのです。

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齋藤 和寿
【インバースコンサルティング株式会社代表取締役】 後継者不足の解決や豊かなリタイアを望む経営者様に寄り添い「最幸のM&A」を実現するための情報を発信しています。 仕組み経営コーチとしても活躍中。会社の仕組み化×M&Aで、社長の人生を豊かに彩ります。
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