今回は少し悲観的なお話かもしれません。
私にとっては事実をお伝えしているだけで、悲観的なお話をしているつもりは毛頭無いのですが、お読みただいている方の中にはそう聞こえてしまうかもしれません。
タイトルにあるとおり、日本国内のマクロ環境のお話なのですが、経営者に限らず誰しもが認識していることです。
今回は、【人口問題】に焦点を当てています。
登場人物紹介
インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!
中小企業を経営している社長です。後継者不在に悩んでいて、M&Aを検討している真っ只中にいます。いつもは困った顔をしていますが、たまに笑顔になります。
1章:人口問題について
総務省統計局のHPによると、総人口は令和3年12月1日現在1億2,547万人のようです。前年同月比で62万人も減少しているのだとか。
試しに同程度の人口がいる都市はないかと調べてみると、東京都の新宿区と中野区を合わせた人口は約63万人ほどでした。
日本の中心地である東京の二つの区の人口がたった1年で全ていなくなった、と例えて考えてみると、少し怖さすら感じませんか?
経営をされていたり、夢中で仕事をこなしていると1年は本当にあっという間に過ぎます。
文字通りあっという間に人が減っていく、日本はそんな時代に突入しているということです。
人口問題研究所という機関の研究によると、あと50年後には総人口が1億人近くまで減ってしまうという試算もあるようです。(気になる方は人口問題研究所のHPを覗いてみて下さい)
つまり、ざっと20%減といったところでしょうか。
2章:経営と人口問題
ここで経営の話にどう人口が関係するのか触れたいと思います。
突然ですが業種に関わらず売上の源泉とはなんでしょうか?そう、人(お客様)です。例え、株式やFXなどの投資であっても相手方が必ず存在しますので、人でになると考えます。
ちなみに仮想通貨のマイニングや売買相手がAIであっても、背後に人がいるはずです。
話が逸れますが、お金というものはある意味で共同幻想とも言えますが、人が作りだしたものですので、売上というお金をもたらしてくれる相手方は人です。
つまり、人が減るということは、売上が減ることと同義として捉えるべきです。
※政府がお金を刷って市場にばら撒き、1人当たりのお金を使う量を増やせば人口の減少分を賄えるといった考え方は無しでお願いします。
3章:縮小環境という認識を持つ
このような売上の総合計が減っていくような環境において、業績をさらに拡大させようとするとかなり苦戦するということは想像に難くないと思います。
自然体でいたら維持することも難しいです。
特に人口がどんどん減っている地域で、かつ、その地域に根差したビジネス(例えば派遣会社や店舗系のビジネス等)をしている会社の影響は計り知れません。
東京などの人口が未だに集まるような地域(初の減少を記録したばかりですが)は少数で、日本全体の人口減少率を上回る地域が多くを占めるのではないでしょうか。
1社単独で生き残り維持・発展をするためにはどのような戦略が考えられますでしょうか。
もちろん、中にはイノベーションを起こし、人口減少とは無関係に勝ち上がる会社も出てくることでしょう。
また、地域性は関係の無いビジネス(オンライン型の塾や通販事業など)は人口減少との相関関係は小さいはずです。
ただし、それはごく一部であり、確率論から考えると1社単独で成長するための戦略とは別の戦略も考えておいて損はないはずです。
タイトル通りですが、他の戦略の一つというものがM&Aという選択肢です。
4章:M&A=他社の力を活用する
M&Aとは言い換えると、第三者である他社の力(しかも大きな会社の力)を活用することです。地域に根差しているのであれば、地域外から大きな力を借りるということです。
このような大局観からM&Aを考えることは、この先とても重要になってくる視点ではないかなと感じています。
単なる会社売却ではない考え方もあるということを知っていただければと思います。
まとめ
日本の人口がどんどん減少している現在では、業種を問わず事業の発展がしづらい状況です。
今まで1社単独で行ってきた事業でも、M&Aを通じて他社と手を取り合い協力しながらお互いに成長してくべき時代が近付いてきています。
業績の悪化が続き会社の経営が危なくなってしまう前に、他者と協力しあって成長していくことを視野に入れておきましょう。
今回の記事がお役に立ったなら幸いです。