M&A

新規事業の成功確率は?始めるべきケースとM&Aを検討すべきケースも解説

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  • 会社の業績を更に伸ばしたい
  • 傾きかけている事業を何とかしたい

上記のように考えている社長の中には、新規事業を始めようとしている人もいるのではないでしょうか。

そこで気になるのが新規事業の成功率です。この記事では新規事業の成功率と、新規事業を始めた方が良いケースについて解説しています。

さらに、新規事業を始めるべきではない状況下に置かれている社長が経営を立て直す方法についても解説しています。

新規事業を始めるべきか悩んでいる社長は、ぜひチェックしてみてください。

登場人物紹介

齋藤さん

インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!

社長

中小企業を経営している社長です。後継者不在に悩んでいて、M&Aを検討している真っ只中にいます。いつもは困った顔をしていますが、たまに笑顔になります。

1章:新規事業の成功確率は約14%

グラフが記載された書類

新規事業の成功確率はおよそ14%です。100社の企業が新規事業を立ち上げたとして、14社が成功する計算です。

この「成功」とは、新規事業を立ち上げて利益が上がっている状態を指しています。

中小企業庁が出している2017年版の「中小企業白書」によると、新規事業の展開に成功した企業は約29%、成功していない企業は約71%です。

そして成功した企業のうち、約49%は経常利益率が横ばいか減少したと回答しています。したがって新規事業を立ち上げて利益を上げられた企業、つまり成功した企業は約14%となるのです。

さらに新規事業が成功した経営者を年代別に見てみると、59歳以下が全体の56.1%を占めています。

このことから新規事業の成功確率は、若い経営者の方が高いといえるでしょう。

参照元:中小企業庁 2017年版「中小企業白書」

2章:新規事業を始めた方が良いケース

チェスをする男性

新規事業の成功確率は14%と決して高い数字とはいえません。しかし中には、他の方法を実行するより新規事業を始めた方が良いケースも存在します。

具体的には、資金があるアイデアがある社長自身にやる気と自信がある場合は、新規事業を始めても成功する可能性が高いといえるでしょう。

2-1 新事業を始められる資金がある

新規事業を始めるためにまず何よりも重要な点が、資金があることです。

いくらアイデアを持っていてやる気と自信がみなぎっている社長でも、先立つものがなくては新事業の立ち上げは不可能です。

そのため新事業を始めるにあたり、どれくらいの資金を用意すべきなのかをあらかじめ計算しておきましょう。

また、金融機関や地方自治体などから融資を受ける際にも潤沢な自己資金が必要です。

どちらにせよ資金は多い方が新事業を成功させられる可能性は高まります。十分な自己資金の存在は、新事業を始めるための必須条件といっても良いでしょう。

2-2 既に新事業のアイデアを温めている

資金があることが大前提にはなりますが、既に具体的なアイデアを温めている社長はぜひ新事業に取り組んでください。

迷っているうちに他社に先を越されてしまっては後悔してもしきれません。

この記事を読んでいる人の中には、既に事業を始めていて経営のノウハウがある社長も多いかと思います。

資金とアイデアがあり経営のノウハウも持っているのなら、早速新規事業の開始に向けてメンバーを検討し始めましょう。

2-3 社長自身にやる気と自信がみなぎっている

こちらも資金があることが大前提にはなりますが、社長自身に新事業成功へのやる気と自信がみなぎっているのであれば、ぜひ始めてください。

情熱は何よりも大きな推進力になります。少々の困難に直面しても、強い志を持っていれば乗り越えられる可能性は高くなるでしょう。

ただしやる気と勢いだけで新事業をスタートするのは危険です。事業にふさわしいメンバーを選定し、戦略と事業計画をしっかり練ったうえで新事業の立ち上げに臨んでください。

3章:M&Aを検討したほうが良いケース

比較イメージ

14%という数字が表しているように、新事業を立ち上げて利益を上げられるようになる企業は決して多くありません。

そのため十分な資金や確固とした信念もなく新事業をスタートさせてしまうとその事業は失敗に終わり、負債だけが残ってしまう結果にもなりかねません。

新事業が失敗に終わるだけならまだしも、既存の事業にまで影響を及ぼしてしまう恐れも出てきます。

そこで会社を立て直したいのであれば、M&Aで会社売却を行うことも選択肢の1つです。

なぜならM&Aで大手の傘下に入ることで経営の基盤が安定し、会社の存続が可能になるからです。

さらに株式譲渡での会社売却であれば、会社の負債や借入も買い手側に引き継がれます。

また社長は株式の売却益を得られるため、個人で新事業を開始したりリタイアしたりといった選択もできるようになります。

3-1 会社に十分な現預金がない

社長自身にやる気がみなぎっていて新事業のアイデアがあったとしても、会社に十分な現預金がない場合はM&Aで会社売却を検討してください。

なぜなら、会社に現預金がない=新事業への十分な資金がないからです。

新規事業を始めるには資金が必要です。ある程度の自己資金がなければ金融機関からの十分な融資も見込めません。

また会社に現預金がないということは、負債の返済に支障をきたし資金繰りが苦しくなってしまう危険性をはらんでいます。

たとえ売掛金や不動産などの資産があったとしても、現預金が十分でない会社は新事業の開始をおすすめできません。

3-2 自力で新事業を立ち上げて成功するイメージが湧かない

会社に十分な現預金を持ち新事業への資金が潤沢だったとしても、社長自身が成功のイメージを持てない場合は新事業を始めるべきではありません。

たとえ新事業を始めたとしても、モチベーションの低い社長に従業員が共感できない可能性が高く、事業全体の士気が低いままのスタートとなってしまう恐れがあるからです。

新事業の収益化はただでさえ成功率の低いプロジェクトです。

そのため無理にモチベーションを上げるのではなく、M&Aで会社売却を検討したほうが良い結果となる可能性が高まります。

3-3 近い将来リタイアしたいと考えている

会社の経営が心配ではあるけれども、近い将来自分自身がリタイアしたいと考えている社長はM&Aによる会社売却をおすすめします。

現時点で後継者が決まっていない会社の場合はなおさらです。

なぜならM&Aによる会社売却では買い手側の企業から新しい社長が就任するケースが多いため、後継者がいなくても事業承継が可能になるからです。

経営に不安を抱えている会社は特に、債務超過に陥ってしまう前に早めに売却を検討してください。

4章:M&Aで会社売却後も社長として会社に残る選択肢がある

仕事をしている社長のイメージ

新規事業に踏み切る資金やモチベーションはないけれど、何とかして会社を立て直したい。しかしまだまだ社長は続けたい。

そのように考えている人は、自分が社長を続ける条件を提示した上での会社売却を検討してください。

なぜなら、交渉次第では会社売却後も一定期間は社長として会社に残る選択ができる場合があるからです。

ただし自身が会社売却後にも代表として会社に残るには、買い手側との交渉で事前に取り決めておく必要があります。

買い手企業によっては「新しい社長は買い手側の人物を入れる」という条件を掲げている会社もあるため、買い手企業選びも重要になってきます。

また、引き続き社長でいられる契約を結べたとしても、その期間がどのくらいになるかは買い手側との交渉次第です。

しかし「大手企業の傘下になり自身も社長を続けられる」というのは社長にとってかなり良い条件なのではないでしょうか。

そのためM&Aでの会社売却は、経営に不安を抱えながら社長を続けたりリスクを抱えて新規事業に挑戦したりするより遥かに安心できる選択肢だといえます。

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まとめ

ターニングポイント

新規事業の成功率はおよそ14%で、100社が始めたら14社しか成功できない計算になります。

また、新規事業を始めるには潤沢な資金アイデア社長自身のやる気が必要不可欠です。

この中のどれか1つでも欠けている場合は、新規事業を始めることは踏みとどまった方が良いでしょう。

新規事業以外で経営の立て直しを図るのであれば、M&Aによる会社売却がおすすめです。金額次第では売却益を使用して社長個人で新事業を始めることもできますし、M&Aの交渉次第ではそのまま社長として会社に残る選択肢も選べるからです。

新規事業を始めるべきか、M&Aを検討するべきなのか。もし自分だけでは判断しきれない場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。

会社のため・従業員のため・自分自身の幸せのために、最適な選択を行いましょう。

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ABOUT ME
この記事を監修した人 齋藤 和寿
【インバースコンサルティング株式会社代表取締役】 後継者不足の解決や豊かなリタイアを望む経営者様に寄り添い「最幸のM&A」を実現するための情報を発信しています。 仕組み経営コーチとしても活躍中。会社の仕組み化×M&Aで、社長の人生を豊かに彩ります。