M&Aちょっといい小話

M&Aで有名企業が顧客にも幸せをもたらした話【三菱鉛筆がラミー社を連結子会社化】

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スタッフA

齋藤さん齋藤さん!大変です!

齋藤さん

そんなに慌ててどうしたんですか?

スタッフA

三菱鉛筆がドイツのラミー社を完全連結子会社化したんです!それでラミーのサファリに…

齋藤さん

まあまあ少し落ち着いて。ゆっくり話を聞かせてください。

今回は、いちユーザーである弊社スタッフに幸せをもたらした、有名企業のM&Aをご紹介します。

スタッフA

M&Aって、売り手と買い手といった取引の当事者だけでなく、顧客にも嬉しいニュースをもたらすことがあるんですね。

登場人物紹介

齋藤さん

インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!

スタッフA

インバースコンサルティング株式会社で齋藤さんの部下として働いています。筆記具が大好きです。

1章:2024年3月 三菱鉛筆がドイツのラミー社を子会社化

ビル群のイメージ
※写真はイメージです

三菱鉛筆株式会社は2024年2月、ドイツの文房具メーカーC. Josef Lamy GmbH(以下、ラミー社とします)の全持分を取得し、連結子会社化することを発表しました。

使用するスキームは株式譲渡で、2024年3月に実行されています。

齋藤さん

つまり、三菱鉛筆がラミー社の100%の株式を取得し、完全子会社化したということですね。

このM&Aで三菱鉛筆は、以下のシナジー効果を期待していると発表しています。

  1. 海外における販売体制のさらなる強化
  2. ラミー社が持つブランド力の獲得
  3. ラミー社が持つデザイン力の獲得
  4. ラミー社が持つ技術力の獲得
  5. 三菱鉛筆にない商品カテゴリのカバー
スタッフA

たしかに三菱鉛筆の商品は、購入しやすい価格帯で生活に密着しているイメージです。それに対してラミー社の筆記具は所有欲を満たしてくれる「ちょっとイイ筆記具」なんですよね。

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1-1 三菱鉛筆ってどんな会社?

三菱鉛筆株式会社は、主に筆記具などを製造販売している文房具メーカーです。

1887年に前身となる眞崎鉛筆製造所が創業。1952年に社名を三菱鉛筆へと変更し今に至ります。

鉛筆のシェアで国内トップを誇っているほか、「ジェットストリーム」や「クルトガ」などの人気商品を多数抱えている国内屈指の大企業です。

スタッフA

「uni(ユニ)」のブランド名が浸透していますよね。

齋藤さん

あ、私が使っている消しゴムにも「uni」のロゴが付いていますね。これも三菱鉛筆の商品だったんですね。

スタッフA

ちなみに 三菱商事・三菱自動車・三菱UFJ銀行などの「三菱グループ」とは全くの無関係なんですよ。

齋藤さん

ロゴに同じマークを使用しているため、同じグループの会社だと思われやすいですよね。

スタッフA

両社間で重複する事業分野もないため、お互いに同じマークを使用することに合意し、平和に共存しているんですって。

三菱鉛筆株式会社公式サイト

1-2 ラミー社ってどんな会社?

ラミー(C. Josef Lamy GmbH)は1930年に設立された、ドイツのハイデルベルクに本社を置く高級筆記具メーカーです。

「機能によってかたち作られるデザイン」という理念に基づいて作られる筆記具は、余計な装飾を排除した、シンプルで機能的な美しさが特徴です。

スタッフA

シャープペンが1本3,300円~と筆記具にしては少々値が張りますが、書きやすいうえにデザインとカラーが本当に可愛くて、文房具好きには人気のメーカーなんですよ。

LAMY(ラミー)公式サイト

2章:三菱鉛筆×ラミー社のM&Aで起きた顧客にとって嬉しい変化

ハイタッチするビジネスパーソン

通常M&Aは、企業がシナジー効果の獲得や業務の拡大を目的として実行します。つまり「自社をより強い会社にするため」に実施されるのです。

しかし今回の三菱鉛筆とラミー社のM&Aは、筆記具好きな層が大歓喜する結果となっています。

齋藤さん

M&Aを実行した企業だけでなく、その企業のファンである顧客にとっても嬉しいことがあったのですね。

スタッフA

そうなんです!

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2-1 ラミー社のボディに三菱鉛筆のインクを搭載した筆記具の発売

三菱鉛筆は、ラミー社の人気商品「LAMY safari(ラミーサファリ)」に、三菱鉛筆の油性ボールペン「JETSTREAM(ジェットストリーム)」のインクを搭載した商品の発売を予定していると発表しました。

発売時期は2025年1月以降の予定だそうです。

ラミーサファリといえば、ラミー社を代表する定番商品で、世界中で愛されているロングセラーモデルです。

ラミーサファリ
ラミーサファリのシャープペン(上)と万年筆(下) (スタッフ私物)

正しい筆記姿勢を保てるくぼみの入った握りやすい三角グリップと、軽量かつ丈夫なボディが特長。 

ひときわ目を引く大型のワイヤー製クリップはデザインのアクセントになっているだけでなく、厚手のポケットにもしっかりとフィットする機能性を兼ね備えています。

スタッフA

ポップなカラーリングも魅力の1つで、毎年限定色が出てるんですよ。しかもその書きやすさから、小学生から大人まで世代を問わず人気を集めているんです。

一方のジェットストリームといえば、三菱鉛筆が生み出した大変人気のある油性ボールペンです。

ジェットストリームとクルトガ
中央と下がジェットストリームの多機能ボールペン(スタッフ私物)

サラサラとなめらかな書きやすさに加えインクの発色も良く、「一度これを使ったら他のボールペンは使えない」というユーザーが続出しています。

芯の太さも0.7・0.5・0.38ミリと豊富で、筆記シーンやお好みに合わせてチョイスできます。

スタッフA

とにかく書きやすいんです。筆圧をかけなくてもサラサラかけるし、油性ボールペンにありがちな書き始めのインクだまりもありません。

単色ボールペンであれば、1本100円程度で購入できる価格帯も魅力の1つです。

スタッフA

握りやすいうえにデザイン性の高さで人気のサファリに、なめらかで書きやすさに定評のあるジェットストリームのインクが搭載されるなんて夢のようです!

齋藤さん

なるほど。メーカーをまたいだ両者の「いいとこどり」モデルが発売されるんですね。それは好きな人にはたまりませんね。

スタッフA

そうなんです!ニュースを見た瞬間に「発売されたら絶対手に入れる!」と心に決めました(笑)

齋藤さん

三菱鉛筆とラミー社双方の顧客であるAさんも、新商品を通じて「シナジー効果」を感じられたわけですね。これは素晴らしい。

2-2 三菱鉛筆の販売網を使用したラミー製品の展開

三菱鉛筆とラミー社のM&Aが顧客にもたらした幸せはもう1つあります。

それは、ラミー社の商品が今までより購入しやすくなる可能性が高まったことです。

三菱鉛筆はラミー社の連結子会社化にともない、2025年1月より日本国内におけるLAMYの販売体制を変更し、三菱鉛筆の販売網を通じてLAMY商品を販売すると発表しています。

齋藤さん

つまりこれは、三菱鉛筆の商品が購入できる店舗で同じようにラミー社の商品を購入できるようになるということですね。

スタッフA

今までラミー社の商品は代理店での取り扱いしかなかったので、購入できるお店が限られていたんです。三菱鉛筆の販売網に乗れば、今までよりずっと手に入れやすくなりそうです。

まとめ

社員の絆

M&Aは、企業が自社の拡大や発展を目的として実行される取引です。

しかし今回の三菱鉛筆とラミー社のM&Aを通じて、私たちは「M&Aが当事者の企業だけでなく顧客も幸せにできる」という可能性を目の当たりにしました。

今回の事例は大企業同士のM&Aですが、中小企業のM&Aでもこの可能性は大いに残されているものと思われます。

これからM&Aを検討する経営者様は、「このM&Aで自社の顧客は幸せになれるだろうか?」という視点を持ってみるのも良いかもしれませんね。

スタッフA

顧客(ファン)が喜べば購買意欲も上がり、売上の伸びが期待できますね。

齋藤さん

とはいえM&Aで顧客を幸せにするには、どのようなお相手を選べばいいのか悩みますよね。そんなときはぜひ専門家へご相談ください。

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ABOUT ME
この記事を監修した人 齋藤 和寿
【インバースコンサルティング株式会社代表取締役】 後継者不足の解決や豊かなリタイアを望む経営者様に寄り添い「最幸のM&A」を実現するための情報を発信しています。 仕組み経営コーチとしても活躍中。会社の仕組み化×M&Aで、社長の人生を豊かに彩ります。