「M&Aで会社を売却しよう」
そう決断しても、何から手を付けたら良いのか分からない方が多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、M&Aで会社を売却する決意を固めた後にやるべきこと3選を解説します。
M&Aの実行を決意した経営者様は、まず本記事でその後のタスクについて確認してください。
登場人物紹介
インバースコンサルティング株式会社の代表取締役で現役のM&Aコンサルタントでもあります。記事内ではM&Aに関する疑問にどんどんお答えしていきます!
中小企業を経営している社長です。後継者不在に悩んでいて、M&Aを検討している真っ只中にいます。いつもは困った顔をしていますが、たまに笑顔になります。
1章:M&Aで会社を売却する準備を整える

M&Aの実行を決意したら、実際のプロセスを開始する前に準備を始めましょう。
M&Aを活用した会社売却の準備に必要なことは、大きく分けて「明確にしておく事項の検討」と「必要書類の準備」の2種類です。
1-1 明確にしておく事項の検討
M&Aの準備として明確にしておくべき事項は、主に以下の5点です。
- 会社売却を決意した動機
- 会社売却の希望条件
- 希望条件の優先順位
- キーマンのリストアップ
- 向こう3年分の事業計画
上記のうち、事業計画はなくても構いませんが、用意しておくと買い手候補から提示される買収価格に良い影響を与える可能性が高まります。
可能であれば、用意すると良いでしょう。

3-2 必要書類の準備
明確にしておく事項と並行して、必要書類の準備も始めておきたいものです。
M&Aを実行する際には、会社の情報が分かる書類をM&A仲介会社や買い手に提出する必要があります。
非常に多くの書類を提出することになるのですが、M&Aプロセスが始まってから準備していると、書類を探す時間がプロセスの遅延につながる恐れが出てきます。
また、書類探しのために工程に遅れが生じると、買い手からの信頼を損ねる結果にもなりかねません。
M&Aをスムーズに実現するために、必要な書類はあらかじめ用意しておきたいものです。
必要書類の詳細については、下記の記事を参考にしてください。

2章:M&A仲介会社を選定し仲介契約を結ぶ

M&Aを実行するためには、信頼できる専門家に依頼して、工程をサポートしてもらいましょう。
なぜなら売り手となる経営者は初めてのM&Aだという方がほとんどなのに対し、買い手は既に他社の買収経験があるケースが多く、売り手はどうしても交渉で不利になりやすいからです。
不利な交渉にならないためだけでなく、売却に対する希望を最大限実現するためにも、信頼できる専門家を選定し仲介を依頼してください。
M&A仲介会社はそれぞれ得意な業種や企業規模などを持っています。さらに料金体系も会社によって異なるため、複数の仲介会社に見積もりを依頼し、比較検討すると良いでしょう。
また、M&A仲介会社を選定する際には、担当のM&Aコンサルタントとの相性も重要です。
できれば実際に会うなどして、経営者自身とコンサルタントの相性を確認してください。


3章:買い手探しの準備を始める

M&A仲介会社との契約を締結したら、すぐに買い手探しの準備が始まります。
具体的には、1章で触れた資料の提出が求められ、担当のM&Aコンサルタントによりノンネームシート(NN)と企業概要書(IM)が作成されるのです。
準備しておいた書類が早速役立つんですね!
特に企業概要書は、買い手候補先が買収の検討を行う上でメインとなる資料です。
質の高い企業概要書は、自社の魅力を買い手候補企業へ存分にアピールするために必要不可欠なため、求められた書類は全て速やかに提出してください。
さらにNNとIMの作成を通じて、私たちM&Aコンサルタントは売り手のビジネスモデルについて理解を深めます。
M&A仲介会社は、M&Aの売買契約が成立するまで共にプロジェクトを進めていくパートナーといえます。
買い手候補企業へ効果的にアピールして売り込んでいくためにも、パートナーが売り手企業についてしっかりと理解し魅力を感じている必要があるのです。

まとめ

会社売却を決断した後には、やるべきことが3つあることが分かりました。
- M&Aで会社を売却する準備を整える
- M&A仲介会社を選定し仲介契約を結ぶ
- 買い手探しの準備を始める
上記3点はM&Aで必ず行うことなので、事前に把握しておいて損はありません。
M&Aの工程をスムーズに進めるために、M&Aを決意したらぜひすぐに準備を開始してください。



