売却ができない最悪のケース「株式の変遷」について

株式の変遷

これを意識したことがある経営者の方は少ないのではないでしょうか?

用語すら初めて見る方も多いと思います。

日々会社を経営している時には表面化しないため、無理もありません。

ただ、M&Aを実施する上では大前提となりますので、もしご不安な方がいらっしゃれば、一度確認してみることをおすすめします。

 

株式の変遷とは?

まず、株式の変遷とはどんな意味なのか?についてお伝えします。

簡単に言えば、会社を設立したときの株主から今の株主に至るまで、誰から誰に・いつ・何株移動したのか一連の流れのことを指します。

特に重要なのは、

それを示す証拠となる書類はあるか?

です。

※株式を買った際の振り込んだ形跡や株主総会の譲渡承認決議の議事録や株式売買契約書といった書類です。

 

なぜ重要なのか?

今自分が全て(100%)の株式を持っているのに何が問題なのか?

と思われるかもしれません。

ここで問題になっているのは、

本当に100%を所有しているのか?

ということです。

 

なにも買い手は「嘘をついているかもしれない」と疑っているわけではありません。

稀に売り手が知らないところ(善意)で株式の移動がなされていないケースがあるために、この確認が必要になるというわけです。

 

100%の株式を買ったと思っていたら、実は40%分は他の人が持っていた、ということが後になって発覚すると大問題です。

さらに、40%分(このパーセンテージが重要)を保有している株主が、会社や社長に対して敵意を持っているとなったら目も当てられません。

特に意識されていないかもしれませんが、株主総会のあらゆる議案が否決されてしまうということですので、譲渡の承認も下りず売りたくとも売れないという状況も考えられます。

その株式を盾に、「高値で買い取れ」という紛争に発展することだってあります。

実際にそれが原因で売却をしたくともできない会社も実際に見ました。

この点はM&Aの大前提ですので、事前に株主の変遷に問題が無いかは必ずチェックしておいてください。

 

問題があった場合の対応方法について

まずは書類や振り込んだ形跡が無いかを全て洗い出しましょう。

全ての変遷が追えたのであれば問題ありません。

譲渡の前までには、買い手に全てを開示することになるため、整理して保管しておきましょう。

 

もし見つからない場合はどうなるか?

良くある対応方法は、「私は●年●月●日に譲渡したことに相違ありません」という内容の念書をもらうことです。

これには、後から「自分が●株分の株主です。」と名乗り出てこられることを防止する効果があります。

仮に念書をもらえず、名乗り出てこられた場合には、売り手が責任をもって、またご自身の費用で全て解決しなければなりません。

※そもそもそういう可能性がある場合は買い手が下りてしまうこともあります

 

過去の経験では、敵対的ではない名義貸の株主がいたが、行方不明でご存命かも分からないし、相続人も不明という案件もございました。

株式の変遷は今どのような状態か?

今回の買い手がどこまで株式の変遷のリスクを負えるか?

によって対応が異なってきますが、売り手として事前にできることはやっておきましょう。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。