会社の売却タイミングについて考える

今回のタイトルは、必ずといってほど売り手が悩むテーマではないでしょうか。

売る前に

今が売却のタイミングとして適切なのか?

と悩むことでしょう。

 

人によっては

昨年売却したけどこれで良かったのか?

と後になって考える方もおられます。

 

今回のコロナウィルスによる大きなショックが起きたりすると、

売却しておいて良かった。おそらく単独では乗り切れなかっただろう。

と前向きにとらえられると思います。

 

でも、今回のようなマイナスの外部要因がいつ起きるかは誰にも分かりません。

つまり、どこまでいってもベストな売却タイミングは分からないと言えるかもしれません。

 

しかし、実際に売却するかどうかは別として、売却を考えるべきタイミングというものが存在します。

この売却タイミングをこれからお伝えしたいと思いますが、まずはタイミングを図る上で基礎となる

【企業の成長サイクル】

について触れたいと思います。

 

以下の図をご覧ください。

これは、会社の創業から撤退までの期間の売上の推移について表したものです。

縦軸に売上、横軸に時間を取っています。

時間の経過とともに売り上げが伸び、ピークを迎えて売上が減少していく流れを図にしています。

「創業期」

 会社・事業がある程度形になった段階で売却をして、また新たな事業の創出に移っていく方々も近年では増えてきています。

 

「成長期」

業績が右肩上がりの時点で売却し、アーリーリタイアをされる起業家も増えています。

環境の変化スピードが早い時代ではこの選択肢もありだと思います。

 

「成熟期」 ←日本の多くの会社はここに位置しているのではないでしょうか?

業績が横ばいか若干下がり気味になってきた段階です。

理論上はここでの売却がベストです。

しかし、次なる成長期への踊り場の可能性もあります。

 

「衰退期」

ピークは明らかに過ぎており、業績が徐々に下がっていく段階です。

早急な売却の検討・実行が必要です。

 

結論から申し上げると、どの期であっても売却はしても良いと思います。

 

しかし、この中で売却を考えるタイミングが存在します。

それは、成熟期と衰退期にある会社です。

成熟期にある会社は、次なる成長カーブを描いて成長を果たすことももちろんあるでしょう。

明確に次なる成長を描けているのであれば、単独でそのままチャレンジなされても良いと思います。

そうではなく、もし、なんとなく大丈夫だろう、といった感覚なのであれば要注意です。

会社が衰退期に入ってしまう確率が高い状態だと言えます。

 

なぜこのタイミングが売却を考えるタイミングなのでしょうか?

それは、売却することによって、衰退期に入ってしまうことを防ぐ狙いがあるからです。

言い換えるとM&Aを活用して衰退期に入ることを防ぎ、欲を言えば次の成長カーブを描きに行く、ということです。

「このままでは衰退期に入ってしまいそうだ!」

という未来が視えてしまっているのであれば、

売却のタイミングに来ていると判断できると思います。

 

そして、次に売却を考えるタイミングとは衰退期です。

次なる成長のために様々な施策を試してみたけれど、叶わず衰退してしまった場合です。

衰退している最中でも、次なる成長カーブを描ける場合も当然にあると思っています。

しかし、成熟期のときと異なるのは、このままだと【再生フェーズ】に入ってしまう恐れがあるということです。

 

再生フェーズとは何か?

それは、借入が重く、買い手がつかなくなってしまった状態のことを指します。

株式譲渡とは、買い手から見ると『買収資金だけでなく、買収する会社の借入債務の返済計画』まで見なければなりません。

 

つまり、借入が多くなるほど、株式の価値は下がる傾向にあります。

再生フェーズの一歩手前とは、株式を1円で売却し、多額の借入をなんとか引き継いでもらえることです。

そこを一歩過ぎると、もう買い手が現れず、単独で返済しきるか、民事再生のような債権者に一部債権を放棄してもらうかしなければなりません。

そうなってしまう前に早急に売却するべきです。

これが、衰退期で売却を検討するべき理由です。

それも早急に!

 

~どの期に属するかの見極め~

では、どうしたら自社が成熟期だ、衰退期だ、ということが分かるのでしょうか?

これも大まかにではありますが把握する方法があります。

成長サイクルの図のとおりですが、ここ3~5年の推移を見て判断する方法です。

なんの推移を見るのか?

ということですが、大体以下の3つをみてみると良いと思います。
  ・売上
  ・実質の営業利益
  ・借入

これらの数値が横ばい、もしくは、若干のマイナス(借入は逆にプラスの場合)であれば成熟期として考えます。

年々数値が減少(借入は年々増加)しているようであれば、衰退期として判断して良いと思います。

一度じっくりと自社の推移を確認してみることをおススメします!